ボカロ作曲に必要な機材とは? パソコンやDAWの選び方を徹底解説!
「ボカロP」に憧れて音楽を作ってみたいけど、何から始めたらいいかわからないでいませんか?
今回は、ボーカロイドでゼロから曲作りを始めるにあたり、必要な機材を現役のDTM講師が解説します!
ボカロの曲作りに必要な機材とは?
ボカロを始めるのに必要な機材について見ていきましょう。
- パソコン(WindowsもしくはMac)
- DAWソフト
- ボーカロイドソフト(エディター・ライブラリー)
- オーディオインターフェース
- MIDIキーボード
- モニターヘッドホン
- モニタースピーカー
①パソコン(WindowsもしくはMac)
iPadじゃ駄目?とよく聞かれますが、「DTM」では基本的にWindowsやMacのパソコンが必要であると考えています。タブレットでもDTMを楽しむことは可能ですが、まだパソコンと比較してもできることは限られてしまいます。
ストレスフリーな音楽制作をするためは、CPU(脳)とメモリ(筋肉)の性能の高さとバランスの良さが大切。「本気でDTMを始めたい」という方は最初からスペックの高いマシンを購入しましょう。
Windows
Windowsの利点は、自身で組み上げる事が可能な点。低コストでハイパフォーマンスのマシンを導入する事が可能です。
コマンド全般が画面上に表示されていないのがクリエイティブじゃないと感じますが、Web上での情報量も多いので、そういった点でもおすすめできます。
Mac
やっぱりクリエイティブはMacだよね!なんて言われる時代もありましたが、最近は学生のシェア率も高い Apple社の「Mac」。
Windowsの同一スペックと比較して価格は2倍ほど高いものの、スタイリッシュなデザインから絶大な人気を獲得しています。
スタイリッシュになった分、Mac本体への保存可能な容量が少なくなりました。外付けHDDやSSDが必要になる可能性も高いので、やはりコストは上がると感じます。
②DAWソフト
まずDAWとは、パソコン上で曲作りをする為のソフトウェアです。
最近はどのDAWソフトを買えば良いですか?という相談を頂きます。おすすめの理由を聞いてもピンっと来ない事が多いでしょう。
ご自身の熱量にもよりますが、最上位版を購入すれば結果的にどれを買っても大きい差がありません。
傾向としては、ドラムやピアノ等のリアルなサウンドの「ソフトウェア音源」を買い足す事が多いので、操作感や自身がクリエイティブになれると感じるDAWをピックアップするのが良いでしょう。
どのDAWを選ぶのがおすすめ?
区分けが難しい所ではありますが、目的毎におすすめのDAWを分けてみました!
学生はアカデミック版が適用されますので忘れずに!
気軽にDAWを導入したい! | 歌ってみた&ミックス師も挑戦したい! | 本格的に曲作りをしたい! | |
LogicPro | ○ | ○ | ○ |
CUBASE LE/AI/Elements | ○ | △ | – |
CUBASE ARTIST | ○ | ○ | △ |
CUBASE PRO | – | ○ | ○ |
StudioOne Artist | ○ | △ | △ |
StudioOne Professional | – | ○ | ○ |
Steinberg CUBASE
CUBASEはYAMAHA社のDAWソフトです。YAMAHAが潰れない限りソフトウェアの開発は進むでしょう。途中でアップデートが出来なくなるというリスクはかなり低いです。
国内シェア率も高いDAWソフトで、多くのユーザーを抱えています。個人的にサウンドも1番良いと感じますが、最上位版の「CUBASE PRO」は他社のDAWに比べて少し高額です。
CUBASE ELEMENTS
CUBASEの入門用といった位置づけにあるDAWです。
機能に制限はありますが、初心者でも比較的導入しやすいのが特徴です。
CUBASE ARTIST
Artist版からは、ボーカルの音程を調整できる「Vari Audio」が使用可能に。エフェクト関係が最上位版のPROに比べて少ないものの、入門者にもおすすめできます。
DTMは機材導入費がかさむ傾向にあるので、ソフトウェアだけに多く課金する必要はありません。「最上位版には手が出せない」という方にはARTIST版が候補に入るでしょう。
CUBASE PRO
国内で高いシェア率を誇るのが「CUBASE PRO」。
Windowsで使えるDAWソフトとしては歴史があり、多くのDTMユーザーの地盤として活躍してきました。
最上位版の「PRO」は他のDAWに比べて高額ですが、長期的に見ても安心して使えるDAWの1つでしょう。
PreSonus StudioOne
ベンチャー色の強いDAWですが、人気ギターメーカーのFender社が買収した事でも話題のDAWソフトです。操作感はCUBASEに似ており、非常に動作の軽いDAWとなっています。
私自身も曲作りで使用していましたが、最近はマスタリングのみで使用しています。
StudiOneは2種類のラインナップがリリースされているので、1つずつチェックしてみましょう!
StudioOne Artist
「歌ってみた」のMIXに挑戦してみたいという方はArtist版でも良いでしょう。
最近ではミックス師を目指してからDTMにトライされる方が増えました。最上位版のProfessionalは少し敷居の高さを感じると思うので、そういった方はArtist版がおすすめです。
機能制限はそれなりにありますが、物足りなさを感じた時は自身のスキルが上がっている証拠だと考えて良いでしょう。
その際には、ぜひアップグレードを検討してください。
StudioOne Professional
StudioOneの最上位版です。全ての機能が使用できます。プロの作編曲家から、マスタリングエンジニアまで使用している現代的なDAWの1つといえるでしょう。
ブラックフライデーで安くなる事が多いのも特徴の1つです。
Logic Pro・Garageband
Apple社がリリースしている「Logic Pro」「Garageband」はMacユーザーにはおすすめのDAWで、App Storeからダウンロード可能です。
動作も比較的軽く、様々な楽器のライブラリやエフェクトが用意されているので、MacにLogic Proをインストールすれば、作編曲からミックスまで一通りのことを完結させることも可能。
無料版のGarageBandと有料版のLogic Proという区分けで、価格も3万円程度と比較的安価といえるでしょう。
③ボーカロイドソフト(エディター・ライブラリー)
ボーカロイドは「エディター」という編集ソフトの中に、素材として購入した初音ミク等の「ライブラリー(音源)」をインストールする事で使用することが可能です。
まずはそれぞれチェックしてみましょう!
CRYPTON/初音ミク V4X
言わずと知れた「初音ミク」
海外の日本音楽ファンにも人気のボーカロイドです。
ボカロPとして海外展開を考えている人には、英語音声ライブラリーが入っているバンドルを購入しましょう。
CRYPTON/鏡音リン・レン V4X
こちらも人気の「鏡音リン・レン」
鏡音リン・レンは、パワフルかつチャーミングを保ちつつ、滑舌のよさと力強さ、声の明瞭度を向上させつつ声の可愛らしさもチューニングされたバーチャルシンガーです。
ミクではなくリン・レンから導入したい!という方が一時期多かった印象があります。
鏡音リン・レンも英語版ライブラリーの取り扱いがあります。
CRYPTON/巡音ルカ V4X
Next Lead Music Schoolの生徒でも使用率の高い「巡音ルカ」
鏡音リン・レン同様に沢山のユーザーを抱える人気バーチャルシンガーです。
④オーディオインターフェース
DTMに関して調べていると「オーディオインターフェース」というワードが出てきます。基本的には必須の機材としてカテゴライズされる事が多く、MacやPCと現実世界の音の中継器といったところでしょうか?
マイクやギター録音をする際の音質や、聞こえてくる音が変わるので「音の指標」に関わります。編曲や音を編集する際には、より良い制作環境を構築して作品作りに取り掛かれます。逆説的には判断しずらい音で作業を進めてしまうと、作品にも悪影響をもたらす可能性が出てくるでしょう。
今回はカウンセリング&体験レッスンでおすすめしている、MOTUのM2をピックアップしました!
※購入後はメーカーが配布しているドライバーをインストールしないと使用できませんので注意してください。
⑤MIDIキーボード
DTMの作業を進めるには「MIDIキーボード」が必要です。もちろんマウスで対応できるシチュエーションも多いでしょう。MIDIキーボード単体では役目を果たしません。最近は電子ピアノもMIDIキーボードの役割を担っている物が増えました。
基本的にはDAWで起動したバーチャルのシンセサイザーをMIDI鍵盤で鳴らします。価格やサイズもまちまちですが、ピアノを実際に弾かれる方は演奏内容に限らずモチベーションにも関わるでしょう。
⑥モニターヘッドホン
スピーカーから音を出せないという方もいると思うので、ヘッドホンは重要アイテムの1つになるのではないでしょうか。
既に何かお持ちの場合は問題ないですが、これから購入する方は下記の2つを基準に導入してみましょう!
ヘッドホンの種類①密閉型
密閉型のヘッドホンは多くのボーカルレコーディングで活躍しており、音が耳から漏れにくい事でも重宝されます。
レコーディングスタジオ等でも定番の密閉型ヘッドホン「SONY MDR-900ST」は歌唱時のノイズトラブルに気づきやすいのが特徴です。ボーカロイドでは音のトラブルや音漏れを気にする必要が少ないので、無理に密閉型にする必要も無いと思います。
現場的な考えの基にDTM定番のモニターヘッドホンになった経緯があります。
ヘッドホンの種類②開放型/セミオープン型
開放型やセミオープン型のヘッドホンは、本体の側面に穴や隙間から音が漏れるのが特徴です。密閉型に比べて夏場でも耳が蒸れにくいので助かります。
全体的に張り付いたサウンドというより、ゆとりのある音である事が多いです。リバーブやエコー等といった残響音が確認しやすい物が多いと感じる形式です。
⑦モニタースピーカー
どんな音で作業するかはクリエイティブの視点から考えると、非常に大切なポイントだと感じます。
モニタースピーカーは、サウンドを正確にチェックする上でとても重要なアイテムの1つといえます。ヘッドホンでも十分対応できますが、余裕があればぜひ導入しておきたいところ。
曲を作っていてテンションが上がるか?それとも客観視できるサウンドなのか?導入するポイントは様々だと思いますが、夏場にずっとヘッドホンを付けているのも大変なので、音を鳴らせるなら導入してみましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここで紹介した機材を揃えれば、あなたはその日から「ボカロP」 の世界へ一歩足を踏み入れたと言っても良いでしょう。
よくあるトラブルとして、ソフトウェアや機材がOSに対応していないケースが見受けられます。購入の際は、自分が持っているパソコン、これから買うパソコンなどに対応しているかをよく確認するようにしましょう。
それでは素敵なDTMライフをお過ごしください!
東京都出身。23歳で作曲家、28歳で作詞家デビュー。アニメやTV番組、パチンコ等の音楽制作をはじめ、メジャーアーティストの音響やサウンドエンジニアも担当。2017年4月にオンライン専門の「Next Lead Music School」を設立し、音楽の専門学校を超えるサービスを目標に運営中。東京都から栃木県へ移住し行政の委託事業も遂行。日本のマーケターになりたい。