初期投資が必要のない無料ソフト「GarageBand」

「曲を作ってみたい」「曲を録音したい」という欲望をぼんやり抱いてMacbookを買ったはいいけど、何から始めたらいいか分からないでいませんか?
AppleのDAWソフト「GarageBand」なら、Macを持っていればすぐ使えるソフトで、なんと初期投資をせずに無料で楽曲制作やレコーディングにトライできちゃうんです!
無料と聞いて「GarageBandは知ってるけど、マイクとかが必要なんじゃ……?」と思った人も多いはず。
たしかにマイクがあると便利ではありますが、実はMacに内蔵のマイクでも手軽に録音ができるんです。
今回は、何から始めたら良いかわからない初心者でも簡単にわかる、GarageBandの基本的な使い方について徹底解説します。
iPhoneやiPadでも手軽に録音ができる!
GarageBandは、MacだけでなくiPhoneやiPad版もリリースされています。
こちらはMacよりも手軽で、外でも簡単に録音ができてしまうスグレモノ。
曲を作ったり録音したいけど、Macbookは持っていない。でもiPhoneやiPadなら持ってる!という人は、ぜひダウンロードして使ってみてください。
iPhoneさえあれば誰でも簡単にレコーディングができてしまうので、本当におすすめですよ!(Androidの人はごめんなさい……!)
iPhone・iPad版GarageBandの使い方は、こちらの動画にまとめています。
GarageBandの使い方1.立ち上げと機能をチェック
今回の記事では、Macbookに付属しているGarageBandの使い方について解説していきます。
GarageBandを起動する

まずMacBookを立ち上げたら、「Finder」を選択しましょう。デスクトップの下部にアイコンがずらっと並んでいて、一番左側にある顔のマークです。
左側の「アプリケーション」を選択!
次に、左側の「アプリケーション」を選択しましょう。ずらっとあるアプリの中から、「GarageBand」を選び、ダブルクリックすると起動します。
このマークです!
Garagebandが立ち上がったら、下のようにプロジェクト立ち上げ画面が表示されるので、
①新規プロジェクト→②空のプロジェクト→③選択の順番で選択します。
どのような音を録音または、作りたいかによってトラックのタイプを決めます。今回はマイク録音なのでマイクのボタン①を押し、②の「作成」を押します。トラックのタイプは後から追加する事ができます。(後述)
Garagebandの画面解説
GarageBandの画面が立ち上がりました。画像の番号と照らし合わせて、特に重要な部分だけ覚えていきましょう。
①ワークスペース
ここに録音した音声(トラック)が配置されます。左から右に時間が流れていくイメージになります。
②トランスポートコントロール
トラックの音声をここで操作します。
左から(早戻し)(早送り)(停止)(再生)(録音)(サイクル)となります。
③トラック追加ボタン
音声の多重録音を行う際に使用します。
前述したトラックのタイプを変更したい場合や、追加したい場合にもこちらを使用します。
④トラックボリューム
トラックの音声を個別に変えたい場合に使用します。
○をクリックしながら左右に動かす事で変更可能です。左に動かすと小さくなり、右に動かすと大きくなります。
⑤マスターボリューム
ワークスペース上の全てのトラックのボリュームを変更できます。仕様は④と同じです。
⑥パン(バランス)ノブ
パンとはステレオ音声における左右の定位を指します。
トラックの音声を左右のどこから鳴らすかを変更できます。クリックしながら左右に動かします。
⑦メトロノームボタン
後述するテンポを決める際に、クリックする事で音声の再生時にメトロノームを鳴らすことができます。
紫になっている場合はメトロノームが起動している状態です。
⑧テンポディスプレイ
こちらでテンポを決めます。
クリックしながら上下に動かす事で変更できます。またダブルクリックで数字の入力も可能です。
⑨ヘルプマーク
こちらをクリックしますと、マウスポインターを当てた部分の詳細説明が表示されます。
その2.録音準備
GarageBandを起動し、画面の仕組みを覚えたら録音の準備です!
MacBook単体でも確認しながら録音はできますが、お手持ちのイヤホン、またはヘッドホン(通常の3.5mmジャック)があれば接続するのが望ましいでしょう。今回は、ヘッドホンを接続している前提で解説していきます。
録音の設定
録音設定を進めていきましょう。まず、録音したいワークスペース左横にある、トラックヘッダの余白をダブルクリックします。

トラックヘッダをダブルクリックすると、画像のように画面下に設定画面が表示されます。

画面下にこのような画面が表示されない場合は、こちらの画像の番号順にクリックをしてください。

録音設定画面の仕組み
録音設定画面の解説をします。解説部分は画面のこちらになります。

実際に画面を操作してみましょう。以下の画像を踏まえながら一つずつ覚えていきましょう。

①録音レベル
右側の○を左右に動かすことができます。録音時の音声の大きさを予めこちらで調整できます。前回の記事にあります音量調整と同じ要領になります。
その下にあります『自動レベルのコントロール』ですが、左の□を押していただくとチェックマークが入り録音時の音声レベルを自動で調整してくれます。
こちらは実際に録音してみて必要な場合チェックを入れてください。
②入力
vのマークを押していただくと、どのマイクで録音を行うかを選択できます。
接続しているオーディオ機器にマイクが付属している場合はこちらを選ぶことができます。
③モニタリング
モニタリングとは、入力されている音声をリアルタイムで返してくれる機能の事を指します。
こちらの右のボタンをクリックする事でオレンジ色に点滅し、声などの音声をイヤホンなどでリアルタイムで確認することができます。録音する音声の音量などを確認したい場合に使用します。
④ノイズゲートコントロール
こちらの□にチェックを入れますと、微量なノイズ(雑音)などを抑制してくれます。
右の○を動かす事でどの程度抑制するかを調整できますので、
前述したモニタリング機能を使いながらノイズゲートを調整してみてください。
⑤プラグイン
▶︎をクリックするとこのように画面が表示されます。

今回はこちらで簡易的に調整できるエコーとリバーブについて簡単に説明させていただきます。
エコー
反響音の事を指します。こちらの値を大きくしますと、返ってくる音の間隔を遅くする事ができます。やまびこなどのイメージがわかりやすいかと思います。
リバーブ
簡単に申し上げますと、部屋の広さに伴う残響音の事を指します。
狭い個室で出す音と体育館で出す音では残響音に違いがあるように、空間の広さをどのくらいにするかを設定できると考えていただいて結構です。
○を右に動かすほど空間が大きくなるイメージになります。
これらも必要であればチェックを入れ、モニタリング機能を利用しながら調整してみましょう。
簡単にできるオススメの設定はリバーブの値に対して三分の一程エコーを設定します。
その3.録音
ここまで来たら、実際に録音してみましょう!
まずは、録音したいトラックのトラックヘッダをクリックで選択します。

録音は、再生ヘッドと呼ばれる棒の部分から始まると覚えてください。再生ヘッドを動かして、トラックの頭に設置します。Enterキーを押すと頭に設定してくれるので、これも覚えておくと良いでしょう。

トラックの頭に再生ヘッドが置かれてない場合は、『停止ボタン』が『先頭に移動ボタン』に変化しているので、そちらをクリックしてください。

録音ボタンをクリックすると、録音が開始されオーディオリージョン(後述)が生成されます。止める場合は停止ボタンを押してください。
ちなみに、スペースキーを押すことでも「録音」「停止」が行えるので便利です!

メトロノームボタン横のカウントインボタンをクリックすると、録音開始前に予め設定されているテンポ通りに4回クリック音が鳴り、その後に録音が開始されます。

実際に録音された場合このように表示されます。これはオーディオリージョンといいます。

録音した音声を消したい場合は、画面上部にある編集ボタンを押し『取り消す』(または⌘Z)を選択してください。トラックの消去だけではなく、一つ前に行った作業を取り消すことができます。

取り消した事をもう一度戻したい場合は、編集ボタンを押し『やり直す』(または⬆︎⌘Z)を選択してください。

その4.編集
オーディオリージョン(以下リージョ、ン)の前後の音声を消去したい場合はリージョン左右端の下にあるマークをクリックしながら左右に移動させます。

再生ヘッドの移動は、ワークスペース上部の『ルーラ』と呼ばれるテンポに沿った時間区分を表すメモリ部分をクリックします。

リージョン前後以外の音声を消去したい場合は、消去したい部分に再生ヘッドを置き、左クリックで分割を選びます。そこから複数にわかれたリージョンの前後を調整します。リージョン自体の消去もこちらで行えます。


途中から録音したい場合は、再生ヘッドを録音を開始したい位置に合わせ、そこから録音ボタンを押します。

途中に録音された音声がある場合は音声が上書きされますので、複数の音声を重ねたい場合はトラックを追加して録音します。第一章の記事にあります『トラックの追加ボタン』を参照してください。
その5.出来上がったプロジェクトを保存する
今行っている作業を保存したい場合は、画面上部にあるファイルから『保存』(または⌘S)を選択します。

保存の選択が初めての場合は、名前を入力し、保存するファイルの場所を選択します。最初は保存先をデスクトップにしておくとわかりやすいでしょう。

※以降の保存はファイル先に上書きされますので、予期せぬトラブルを防止するために作業中は定期的に保存を行いましょう。
作業を行っているファイルを複数にわけたい場合は、同じくファイルから『別名で保存』(または⬆︎⌘S)を選択します。こちらも同様に、名前と保存先を指定して保存します。

その6.「曲」として書き出してみよう!
曲をディスクに書き出す
録音したものを音楽ファイルとして作成します。画面上の共有をクリックし『曲をディスクに書き出す』を選択します。

名前とタグ・保存場所の指定
こちらを選択するとこのような画面が出てきます。各項目を確認しながら進めていきましょう。

名前
用途にもよりますが録音された音源がどういったものなのか、または作成した楽曲のタイトルを打ち込みましょう。

タグ
こちらをクリックしますと色やホーム、仕事など作成するファイルが何に当てはまるかなどを決める事ができます。
他のファイルと区別をつける際などに入力すると便利な機能です。

場所
保存したいファイルの場所を選びます。
デフォルトだと『GarageBand』となっていますが、プロジェクトの保存同様にデスクトップだとわかりやすいと思います。

ファイル形式
音楽のファイル形式を選択します。
用途などによって、異なる形式をクリックで選択しましょう。簡単にファイル形式を説明させていただきます。

AAC(.aac)
MP3の後続にあたるファイル形式です。
MP3に比べると若干データサイズが大きいですが音質は良くなっています。
MP3(.mp3)
データサイズの軽いファイル形式です。
音質を特別気にしていないなどの場合などに利用します。
AIFF(.aif)
Apple開発のMac専用ファイル形式です。
このファイル形式を選択する場合WindowsなどのOSでは再生できない形式のファイルとなります。
WAVE(.wav)
Microsoft開発のファイル形式です。
非圧縮により音質を劣化させていないので他のファイル形式に比べデータサイズは非常に大きいものとなっています。
拡張子
選択したファイル形式によって拡張子(ファイル名の末尾につけられる文字)が変化し『○○○.mp3』などになります。

一度書き出しを行った場合は基本的に後からファイル形式は変えることはできませんので必要であれば複数書き出しましょう。
ファイル形式の設定を考えるのが難しいと感じた場合、「音質を気にしない場合はMP3」「音質にこだわりたい場合はWAVE」というふうに覚えておくといいかもしれません。
音質
4つの音質から選べます。
通常利用するのは中音質からになります。中、高音質を選択する場合メールなどで送る事ができます。
最高音質を選択する場合は、音質を重要視する場合に利用するとお考えください。

これらはファイルのデータサイズに関わりますので、重いと感じた場合などは必要に応じてファイル形式と音質を変えていくような形になります。
選択書き出し
ご紹介はしていませんが、こちらを選択する場合は事前にファイルの長さを指定して、その部分だけ書き出す事ができます。音声全体を書き出したい場合は選択しません。

設定が終わったら、『書き出す』を選択します。
問題なく書き出されていれば、指定したファイルに追加されています。不具合が生じていないか音源を一度再生して確認しましょう。
書き出した曲を再生
書き出された音源は、書き出し時に保存を指定した場所に追加されます。
拡張子の説明にありましたように『○○○.mp3』などの拡張子表記のあるファイルが書き出された音源ファイルになります。
そちらをダブルクリックしていただきますと、書き出した音源を再生する事ができます。デフォルトはiTunesの画面が開き、そちらで再生されます。こちらで音源の確認などが可能です。
まとめ
高価なソフトや周辺機器を使用せず、誰でも気軽に音楽制作を楽しめるもので、いま最もポピュラーと言える無料DAWソフトGarageBandは、『音楽は作るのが難しい!』という考えを変えてくれる素晴らしいソフトだと思います。
その手軽さ故に今まで音楽を作ったことがない方でもわかりやすく、そして簡単に様々な音楽を生み出すことができるようになりました。
是非この機会にGarageBandで自由に音楽を作ってみてはいかがでしょうか!

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