本日はDTMや曲作りを開始された方に向けて、オススメのモニタースピーカーをご紹介致します。
何故モニタースピーカーが必要なのか?そもそもモニタースピーカーって何だろう?と疑問をお持ちの方も多いと思います。
そんな疑問にお答えしつつ、これまで沢山のDTMレッスンを提供してきた知見を元に、初心者の目線に寄り添いながらモニタースピーカーについてお話したいと思います。
同時に本記事をご覧頂き、音楽制作のスキルとして習得頂けると嬉しく思います。
モニタースピーカーって?

まず我々が普段、楽曲制作で使うスピーカーの総称を「モニタースピーカー」と言います。
ライブの音響さんやサウンドエンジニアも、この「モニター」と言われるスピーカーやヘッドホンを使用します。
簡単にお伝えすると、音楽を作る為のスピーカーであり、「ツール」の1つとお考えください。
リスニング的に良い音で聞くというよりは、レコーディングや編曲したデータをしっかり聞き分けたり、サウンドがより良くなるような加工をする際の「音の指標」になります。
こういった各製品の特性や特徴を理解した上で、各自使用しています。
もちろん「レコーディングスタジオで取り扱っているから使用している」といったように、環境に合わせて製品をチョイスされている方も多いと思います。
この「音の指標」が各社ラインナップの個性であり、値段やサイズも様々です。
もちろんヘッドホンを使う場合もあれば、併用して作業を進める事もあります。これも基本的には「聞きたい音」を確認する為であったり、特性を理解した上で皆さん愛用されています。
モニタースピーカーの種類
さっそくモニタースピーカーの種類についてご案内致します。
基本的にモニタースピーカーを導入予定の方は、既にオーディオインターフェースをお持ちか、またはこれから一式を揃えようとお考えの方かと思います。
いずれにせよ、モニタースピーカーはオーディオインターフェースにちゃんと接続できる物がマストになります。変換ケーブルやプラグはありますが、余計な出費や事故を防ぐ為にも、今一度ご確認ください!
パワードスピーカー

アクティブスピーカーやアンプ内蔵スピーカーと呼ばれ、カテゴライズされているスピーカーです。
オーディオインターフェースとスピーカーを接続して、それぞれ電源を入れれば基本的には終了です。
細かい注意点をお伝えすると、電源を入れる順番等ありますが、まずはちゃんと接続できるかを確認しましょう。
キャノン端子(XLR端子)

一般的には耳馴染みのない端子ですが、マイクケーブルと言われるタイプがこちらにあたります。
この「XLR」のプラグは高音質でノイズに強く、ライブ等での使用されており、ハイエンドマイクでは必ずといっていいほど採用されています。
私はこのキャノンで接続できるモニタースピーカーを推奨しております。
フォン端子

ギターのケーブル(シールド)とお伝えすればイメージはしやすいでしょうか?
楽器演奏の経験がある方なら、なんとなく想像できるかと思います。
後述のRCAよりノイズに強く、ヘッドホンやイヤホン端子でも使われています。
ケーブルを買われる際はTSケーブル(アンバランス)ではなく、TRSケーブル(バランス)をご用意ください。
RCA端子

赤白ケーブルと言えば一般的に伝わるのでしょうか?赤と白の小さいピンジャックに接続するタイプです。
RCA接続の場合は小型のスピーカーか、フォンもRCAも両方可能!といったようにケースになる事が多いです。個人的には可能であればキャノンかフォンタイプの物をオススメしております。
初心者向けであろうとも、それなりのモニタースピーカーであればキャノンかフォン接続する事が可能な場合が多いです。
パッシブスピーカー

アンプが必要なスピーカーです。
オーディオがお好きな方はもうお馴染みだと思いますが、パワーアンプが無いと、オーディオインターフェースがあっても音が鳴りません。
この場合、オーディオインターフェース→パワーアンプ→スピーカーの順に接続します。
バナナプラグ

ケーブルを解いてスピーカーに直接繋げる事も可能ですが、この様にバナナプラグを使って接続する事も可能です。
パッシブスピーカーの音は基本的に大人しい物が多いです。
パワーアンプで音の系統が変わってしまうので、考え方によっては特性を活かすことも可能だと言えます。私は率直に相性があると考えております。
音の指標

長くなりましたが、次は何度もお話してる「音の指標」や「特性」についてご説明致します。
何を「良し」と考えてモニタースピーカーを購入するのか、いくつかピックアップ致します。
最近はモニタースピーカーを視聴できる店舗もあるので、もしよければ確認しに行ってみると楽しいかもしれません。
下記の4つのポイントを抑えて、モニタースピーカーを購入する際の参考にしてください。
1.低音がどこまで鳴るか
一般家庭で使う範囲ですと、結局サイズにも寄りますが
低音がどこまで聞こえるかというのは1つのポイントになります。
例えばですが、バスドラムの音の余韻やベースの質感等、ミックスをする際に音をしっかり認知できる事は、作業の「時短」にも繋がる【ツール】になると言えます。
ミックスを例にあげましたが、作曲や編曲を行っていても、気持ちよく音が鳴る環境っていうのはクリエイティブに直結するので、環境整備をするのは音楽的精神衛生上も良い事だと考えられます。
2.リバーブや残響音の確認
「この人ぜったい細かい人だな」と感じた方もいらっしゃるかと思いますが(笑)
リバーブ(エコー)の残り等をしっかり確認できるモニタースピーカーは重宝します。
完成したと思ったら、リバーブ(エコー)がかかりすぎていて、ゴワゴワした曲になっている!なんていう相談を沢山頂きます。
もちろんかけ方にもよりますが、ちゃんと自身の耳で違いや変化を認識できる物をチョイスする必要があります。
3.解像度の違い
「解像度」ってなんだよ…と思われる方は多いかと思います。
簡単にお伝えすると、解像度が高いモニタースピーカーだと聞こえなかった音が聞こえてきたり、1音1音ちゃんと分離して聞こえるようになります。先述の2.に近い所もありますが、これは音の配置やミックスをする際にも役に立ちます。
基本的に高額なスピーカーにならいと解像度は上がらない傾向があるので、高額なスピーカーは安価なスピーカーからは聞こえてこない、色んな音が聞こえてくると思って頂けると良いです。
商業用ではなく、一般ユーザー用のモニタースピーカーも違いがあるので、意識して聞いてみましょう。
4.曲作りをしていて、テンションが上がるか?
なんとも曖昧な意見ですが、聞いていて気持ちよくなるかという点はとても重要です。
特にクリエイターや作曲家はテンションが上がったまま曲を作る!という事もあるので、音を楽しめる環境作りも大切だと思います。
かなり個人差がありますが、サウンドエンジニアがミックスをする際、もっと質素なスピーカーを使用して、カッコよくなるようにミックスをする!というエンジニアもいるので、正解は1つではありませんが、自身の気持ちコントロールできるツールに出会えるのは大切です。
オススメのモニタースピーカー
上記4つのポイントを意識して、モニタースピーカーを5つご紹介したいと思います!
指標や目的があるのはお分り頂けたかと思いますが、今後も長く使える機材という点も意識して選びましたので、是非チェックしてみてください!
今回はオーディオインターフェースと接続すればすぐに使える【パワードスピーカー】をご紹介致します!
もし貴方が下記のモニタースピーカーより高いグレードの製品を買う時は、自身のスキルが上がっている時かもしれません。
YAMAHA HS5【パワードスピーカー】

皆さんご存知の大手メーカーYAMAHA社のHS5。
高域から低域まで程よく聞こえる製品で、コンスパフォーマンスに優れた製品です。
どこかの帯域が特徴があるような印象はあまりありませんが、派手さはないものの、業務的にしっかり仕事をこなしているスピーカーというような雰囲気があります。
楽曲のジャンルによってはノぺっとして鳴ってしまう場合があるかと思いますが、個人的には許容範囲であると考えられます。
もし不満に感じる箇所はヘッドホンか別のモニタースピーカーを導入する価値があるかもしれません。
カラーもホワイトがあり、部屋の雰囲気に合わせてチョイスすると良いでしょう。
ワクワクするようなサウンドではありませんが、曲を客観視できるモニタースピーカーです。
YAMAHA MSP5 STUDIO【パワードスピーカー】

こちらも上記と同じYAMAHA社のMSP5 Studio。同じくパワードのモニタースピーカーです。
HS5同様にサイズのラインナップが他にもあり、部屋のサイズ感に合わせてチョイスするのが理想です。可能であればこちらのサイズ、また本機より大きいスピーカーの方が役目を果たしてくれるでしょう。
音を大きくしても小さくても、ある程度同じように鳴ってくれるモニタースピーカーなので、日本のように狭い空間で制作をするのを理解してるモニタースピーカーと言えます。
個人的統計ですが、海外より国内ユーザーが多いです。HSシリーズは海外の方も多くのユーザーに親しまれています。
私自身はMSP5 STUDIOが好きでしたが、最近はHS5の音の方が好きです。これは作曲編曲のみだけではなく、ミックスをやるように、HS5の方が業務的にも使えると思った事がきっかけです。
耳が良くなったのかもしれませんが、環境やその時の能力によって合わせる1つのツールでもあります。
JBL 305P MKⅡ【パワードスピーカー】

単純に偏見なのですが、JBLは自宅用のモニタースピーカーというより、ライブハウスや音響関係のスピーカーという印象を持っていました。
ところが先日スタジオで本製品でレコーディングをして、一気にイメージアップしました!
噂話に聞いた所、色んな店舗や販売店でオススメにピックアップされているそうです。
全体的に若干硬い音という印象がありましたが、ちゃんと各社の人気モニタースピーカーをリサーチして作成された印象があります。このモニタースピーカーをリファレンス(参考)にしたかな?と思い当たる所があります。
上記のYAMAHA社の製品に対して、質や価格共に戦える1品だと感じます。
ただリバーブの残り具合は少し分かりにくかったです。
IK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitor

小型のモニタースピーカーとしては最小であろうIK MULTIMEDIA社のiLoud Micro Monitor!
商業スタジオでは見かける事がありませんが、個人ユースのスタジオや作曲家の自宅スタジオ、出張先の簡易システムに加えている方は多いです。
価格はサイズの割には高く感じるかもしれませんが、あまり音が出せないユーザーにはオススメです。
大きい音で聞いていると、正解というか指標がブレてしまう事があるので、本機の様にサブのスピーカーとして、客観的に楽曲と向き合うツールとしても活躍してくれます。
他の用途として、以前クライアント側がPCの内蔵スピーカーのみでしか確認が出来ない現場があり、こちらのスピーカーを用意し、PCに接続して確認をした事があります。すぐサウンドシステムを構築できる点では特に優れいています。
こちらはRCAケーブルでの接続になりますので、この点注意が必要です。
PreSonus Eris E4.5

最後の製品は悩みましたが、PreSonus Eris E4.5をピックアップ致しました!
本製品は実際に手にした訳ではなく、知人の家で自身の曲を聞く際に使用したのですが
楽曲のレスポンスの良さが際立って聞こえ、音量を上げても下げてもクリアなサウンドの印象を受けました。
価格もこれまでピックアップしたモニタースピーカーの中でも安価なラインナップなので、選択肢に入れて良いかと思います。
こちらはフォーン(TRS)かRCAで接続する必要があります。
まとめ

今回はDTM初心者に向けてご案内致しました。
やはり機材は価格に比例していく所があるので、基本的には高額な製品は避けました。
もっと安価な物もありますが、あくまで私が「自身の生徒にオススメするなら」という一面も合わせてご案内致しましたので、これからガッツリ音楽制作に励みたい方は参考にしてみてください。
次回はモニタースピーカー1つずつピックアップして、紹介をしていきたいと思います。

Next Lead Music 代表
経営者と財布職人の祖父2人を持つ、ハイブリッド血統の音楽家。
IT×音楽×文化をテーマに、新人・ベテラン、活動地域関係なく、ミュージシャンの文化活動を応援している。
アニメ等の作詞作曲編曲や、メジャーアーティストのエンジニアリング、ライブ音響等、幅広く活動すると同時に、音楽や文化がインターネットを通して社会の活力になる事を目標に日々発信している。今後は地方創生にも携わりたい。
オンライン専門のミュージックスクール「Next Lead Music School」を経営。
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