マイク弾き比べ!自宅でアコギのレコーディング!

宅録に向けたマイク選び!

本日は自宅でアコースティックギターの録音する方に向けた、マイクの弾き比べについて書いていきたいと思います。

アレンジの仕事や自宅で音源制作に励まれている方は、是非参考にしてみてください!

自身の環境やギターによっても違いがあるので、マイクのキャラクターを感じて頂ければ嬉しく思います。

使用ハードウェア

まずは使用したハードウェア及び機材に関してご説明します。

ProTools HD

DAWはProTools HDを使用。LogicやCubase等をお使いの方が多いかと思いますが、今回はオーディオの録音やエディットに優れたProToolsを使用しました。尚、初心者の環境に近いであろう24bit/48khzで録音しております。

マイクも1本ではなく、2本同時にレコーデイングをしております。アコギを2本のマイクで録音する感覚が無い方は意外と多いのではないでしょうか?セッティングの位置は異なりますが、本数は2本以上使う事もあるという事を覚えておいても良いでしょう。

今回は各マイク毎にレベルを揃えて録音。データはEQ(イコライザー)等のエフェクトは一切使わず、チャンネルフェーダー(音量)も、ほぼ等しい状態で作成しました。素材そのものの音とお考えください。

Universal Audio 4710d

マイクプリアンプはUniversal Audio社の4710dを使用しました。

Universal Audio社はApolloシリーズのオーディオインターフェースを使用されている方が多いと思いますので、馴染みのある方が多いように感じております。

Apolloも2ch(マイクを2本セッティングできる)なので、今回の様な録音を考えている方にはオススメです。

Gibson CL-40 Artist

ギターはギブソンのCL-40 Artist。

Gibsonと言ったら、J-45やハミングバード等が有名ですが、今回はローズウッド&マホガニーの本機を拝借!ギブソンのイメージとは違ったサウンドでしたが、まさに逸品のサウンドです!

Gibsonというより、Martinのアコギを弾いてる感覚に近かったです。両メーカーの良いとこどりの1本!!どの楽曲にもマッチしそうで、仕事で使えそうなサウンドでした!

使用マイク①:SHURE / SM57 LC

マイク

言わずと知れた「SM57」です。「ゴーナナ」等の名前でレコーディングやライブで使用されるマイクとしては定番の人気商品です。今回のアコギ録音でももちろん登場!

ダイナミックマイクなので、自宅の雑音や反響音を気にされる場合にSM57はオススメです。歴史も長いだけあって、色々なレビューがあるかと思いますが、壊れにくく万能なので是非1本ゲットしてみては如何でしょうか?

主な特徴

  • ダイナミックマイク
  • 単一指向性
  • 周波数特性:40Hz-15kHz
  • 感度: -56.0 dBV/Pa* (1.6 mV)
  • 出力インピーダンス:150Ω

使用マイク②:SHENNHEISER / MD421 MK2

マイク

通称クジラと呼ばれる本機。個人的にはとても大好きなダイナミックマイク。

歌の録音で使用される方もいますが、エレキギターのアンプやドラムタムのレコーディングで使用するケースも多いです。中低音の録音にすぐれていてタッチ感も速く、尚且つボヤけず収音できます。

主な特徴

  • ダイナミックマイク
  • 単一指向性カーディオイド
  • 周波数特性:30Hz-17kHz
  • 出力インピーダンス:200Ω
  • 感度:2 mV/Pa +- 3 dB
  • フィルター:5段階
  • 最大SPL:143dB

使用マイク③:JTS / PDM-57

マイク

一瞬SHUREのSM57を連想させてしまう、JTSの「PDM-57」です。

間違えてしまいそうだったので、マスキングテープを貼ってしまいました(笑

価格も安価なのでちょっと買ってみようかな?と思っている方にはオススメです。マイクを2本持ってない方にも良いかも知れません。

肝心のサウンドは、少しハイ上がりなサウンド。価格帯の安いマイクにありがちな、高音域にかなり主張があります。当日レコーディングに立ち会ったスタッフには人気の1本でした。

主な特徴

  • ダイナミックマイク
  • 単一指向性
  • 最大音圧レベル: 145 dB
  • 周波数特性:50Hz-16.5kHz
  • 出力インピーダンス:600Ω

使用マイク④:AKG / C414 XL2

マイク

こちら人気マイクメーカーのAKGの「C414」です。

ボーカルやドラムのオーバーヘッドマイクで使用される事が多く、ブライトなサウンドが特徴です。

先述のハイ上がりではなく”ブライト”。全体的に明るいサウンドなので、シンバル等の金物をめがけて録音されている姿はうなずけます。

C414はXLS等の型番違いや、時代によって販売されていた物が異なるので、サウンドや色合いも若干違いがあります。

今回は2本同時にレコーディングしましたが、1本単体でも十分活躍してくれるでしょう。

主な特徴

  • コンデンサーマイク
  • 指向特性:9段階(無指向性/ ワイドカーディオイド/ カーディオイド/ ハイパーカーディオイド/ 双指向性と各々の間)
  • 周波数特性:20Hz ~ 20kHz
  • 開回路感度:-34dB( ± 0.5dB) re 1V/Pa
  • 最大音圧レベル:140dB SPL (パッドOFF、THD 0.5%)
  • 等価雑音レベル:6dB SPL(Aウェイト)
  • パッド:0/-6/-12/-18dB 切り替えスイッチ
  • ローカットフィルター:Flat/40Hz(12dB/oct)/ 80Hz(12dB/oct)/160Hz(6dB/oct)

使用マイク④:AKG / C451EB

マイク

ペンシル型のコンデンサーマイク、AKGの「C451EB」。

AKGのペンシル型は異なる別の機種が存在しますが、C451はペンシルタイプのマイクの中でも、比較的に見る機会の多いマイクだと思います。

現行品は、アコギやドラムのハイハット、オーバーヘッドで使用される事も多いです。サイズは小さいですが、PADスイッチも付いていて多機能なのも魅力の1つです。

アタック感が良い訳ではありませんが、ハイに特徴があり、マイクの組み合わせ次第では様々なサウンドを演出してくれる事は間違いありません。尚、現行品はC451Bになります。

プロユースのマイクですが手の届く価格なのは嬉しいです。

主な特徴

  • コンデンサーマイク
  • 単一指向性
  • 周波数特性:20Hz~20kHz
  • ダイナミックレンジ:117db max
  • PADS切替可能、10-Db/20-Db
  • ハイパスフィルター切替可能、75 Hz or 150 Hz, 12dB/octave

2本のマイクを使用してレコーディング!

長くなりましたが、各マイクの組み合わせ音源を聴き比べてみましょう!

今回ご用意したのは、上記でご紹介したマイクの組み合わせ!全部で9種類!

あなたはどの組み合わせが好きですか?

好みはもちろん楽曲に合いそうなレンジ感をはじめ、弾き語りをされている場合は自身の声との兼ね合いも考えながらチョイスしてください。

01.SM57 LC & MD421 MK2

ギターを弾いた際のサウンドはそのままで、非常にバランスのとれたサウンドではないでしょうか?

ギターのサウンドをしっかり拾ってくれている印象です。オケやバックトラックの中でもギター全体のレンジを押し出してくれそうな期待感が持てます。

02.PDM-57 & MD421 MK2

低価格帯のなのに驚きです。ハイ上がりで少し軽いサウンドではありますが、決して悪くはありません。

オケやバックトラックの中ではハイが目立つサウンドになりそうです。EQ処理をすれば、もっとパフォーマンスを発揮してくれそうな印象があります。

03.SM57 LC & C414 XL2

個人的に好きというのもありますが、この「C414 XL2」は「ローズウッド」や「マホガニー」材のギターとの相性が良いと感じました。

私自身もギターを弾くので、ギタリストが録音して欲しいアコギのレンジ感をしっかり収音してくれます。オケやバックトラックの中でも存在感を発揮してくれるでしょう!

04.PDM-57 & C414 XL2

JTSの「PDM57」は決して悪いマイクではないと感じますが、やはり少し軽いサウンドに聞こえます。

「C414 XL2」との相性は悪くはありませんが、もっとローレンジにスポットを当てたダイナミックマイクとの組み合わせの方が良い結果になりそうです。

05.SM57 LC & C451EB

ペンシル型を使っているだけあって、繊細なサウンドな印象です。

今回は「SM57」とフラットにセッティングしましたが、向きを変えたり補助的な扱いをしたりと使用用途は沢山あります。ペンシル型は持っていても楽しめるマイクかもしれません。

06.PDM-57 & C451EB

段々と「PDM57」の音を聞くのが怖くなってきました(笑)

なんとなく想像はできてましたが、やはり「PDM57」の主張が強いですね。逆にここまでカラー感を押し出せるマイクなんだなとも考えられます。

スタジオでは好評でした。私は「SM57」の方が好きです。

07.MD421 & C414 XL2

「MD421」と「C414 XL2」は私自身頻繁に使用する組み合わせです。どのアコースティックギターで使用しても想像したサウンドになってくれるので現場では重宝してました。

派手さは少しかけるかもしれませんが、オケやバックトラックとの兼ね合いも考えながらチョイスしています。今回の記事の中では上位の組み合わせです。

08.MD421 & C451B

「MD421」通称クジラと「C451」も安心の組み合わせです。今回は「C451EB」でしたがノイマンの「KM184」を使って録音する事も多いです。

もし予算に余裕があれば、こちらも検討してみてはいかがでしょうか?

クジラとペンシル型のコンデンサーマイクの程良いハイレンジが、ギターの役割を決定付けてくれる組み合わせになるでしょう。Gibson J-45等のジャキジャキした感じのサウンドにもマッチすると思います。

NEUMANN ( ノイマン ) / KM184

NEUMANN ( ノイマン ) / KM184

09.C414 XL2 & C451B

定番で優秀なコンデンサーマイクを2本ピックアップしました。初のコンデンサーマイクを2本使用したセッティングです。

この組み合わせもよくありますが、「C451EB」ではなく、こちらもNEUMANNの「KM184」を使用する事も多いです。少しパリッとした印象ですが、ミッド感も感じられるので色々なメーカーのアコギにも対応できるのではないでしょうか?

録音を終えて

いかがでしたでしょうか?使用するギターや楽曲によって異なりますが、私は「AKG C414 XL2」とSHENNHISER「MD421 MK2」の組み合わせを使う事が多いです。

「C414 XL2」の場合は「MD421」ではなく「SM57」に変えても良いですね!「C414 XL2」とペンシル型のコンデンサーマイクを使い、アコースティックギターのレコーディングをする事も多いので「C414 XL2」と「C451B」も組み合わせも個人的には良い印象を受けました。

先述の通り、今回はアコギの宅録を始める方に向けて記事を作成しました。マイクの位置や向きでかなり音が変わるので、あくまでサウンドカラーの参考にしていただけると嬉しく思います。

是非ご自身の宅録ライフに取り入れてみてください!

協力

  • レコーディングエンジニア:中川雄太
  • 企画:Next Lead Music School
  • 制作:Next Lead Music Media
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