鬼滅の刃が何故ここまで大ヒットしたのか?
2020年、日本でもっとも社会現象を起こした作品【鬼滅の刃】
原作は漫画家の吾峠 呼世晴による、
週刊少年ジャンプで2016年11号から2020年24号で連載されていたマンガ。
あらすじ
《大正時代を舞台に、主人公の炭次郎が鬼が蔓延り人に悪さをする世界で、鬼の力により鬼にされてしまった妹を人間に戻す方法を探すべく、過酷な現実を仲間と共に乗り越え、戦い抜く姿を描く王道少年マンガストーリー》
2021年2月時点でコミックスのシリーズ累計発行部数は電子版を含めて1億5000万部を突破しているなど、ジャンプ作品のファンだけでなく、幅広い世代に指示されている作品である。
人気が薄かった連載当初
連載が始まった当初、その当時人気だったジャンプ雑誌の他のマンガと比べると、実はその人気はあまり高くなく、作品自体のファンもまだあまり多くはなかった。
というのも、ジャンプ作品の最も顕著な特徴である、友情・努力・勝利といった、王道の展開よりも鬼滅の刃は主人公や仲間の葛藤、圧倒的な敵の鬼達の強さ、そして過酷な現実の重みという展開がマンガ初期から続き、読者からは「何故このマンガがジャンプで連載なんだ?」「辛気臭い展開が多い」「二番煎じ感がある」などのネガティブなコメントが多かった。
だがしかし、そのネガティブな印象を吹き飛ばすほど鬼滅の刃が人気となった理由がある。しかもそれはいかにも、このSNS時代らしい理由であった。
そう、ネットを駆使した口コミである。
この作品には現代の学生を中心とした若い世代が好みそうな特徴がいくつかある。
例えば、ダークファンタジーに通じる世界観、登場キャラクターのビジュアル、そしてなにより、作品のキャラクター達の性格や姿のリアル感である。
たとえば、この鬼滅の刃という作品は<小中学生でも理解できるわかりやすさと、作家性の両方を兼ね備えた作品である>と賞賛されており、世界観が複雑ではなく、他の作品でありがちな新規で登場した正義の味方が強すぎるといったことはなく、本当に作品のあり方が理解しやすい、ある種親切な作品であるといえる。
そう、このような作品の特徴が、今現在、スマホでなんでも好きな作品を観たり、探せる、選択肢の多い娯楽の中でもジャンプ作品であり、シンプルに読めるというところが今のメインファン層である、若い世代にとてもウケたのである。
巣ごもり需要による、鬼滅の刃のさらなる人気の飛躍
2019年の暮れから全世界で感染病が広まり、誰しもが自宅にいることが増え、それにより家でマンガやアニメを観る機会が多くなり、ちょうど鬼滅の刃がアニメ化したのも合い間って、さらに鬼滅の刃に触れる人が増えた。
これにはみなさんもなんとなく体感、覚えがあるのではないだろうか?
またアニメは地上波だけでなくVODでも同時並行で配信されており、TOKYO MXでのアニメ放送開始に合わせてAbemaTVやdTV、Amazon Prime、
GYAO!、 ニコニコチャンネル、Huluなど多くのインターネット動画配信サービスで配信されました。
そのためアニメを自分の好きなタイミングで追いかけることができた。
当時まだ鬼滅の刃を全く知らなかった人も、突然ネットやテレビで鬼滅の刃という名前を観ることが増え、突然鬼滅の刃ブームが訪れて、その流れでなんとなくアニメを観たり、Youtuberの鬼滅の刃のレビュー動画を観たりしたのではないでしょうか?
特に鬼滅の刃は日本人には馴染みの深い、鬼というものが題材となっており、それはちょうど世界中の人を苦しめている感染症のイメージと重なって、鬼滅の刃という作品をより身近に感じたのではないだろうか。また、前項に述べたようにストーリーや展開もわかりやすい、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)であるため、大人から子供まで難しいことを考えずに観れる作品であったため、世代を問わず鬼滅の刃に触れる人が多くなりました。
また、テレビやネットメディアでも鬼滅の刃の特集、特番がたくさん流れ、2020年には劇場版アニメが放映されるなど、鬼滅の刃の勢いは益々、加速していきました。
さらにアニメ作品としては珍しく、芸能人のコスプレも話題となった。
それは劇場版の好評に伴い盛り上がっていたSNSではコスプレに大きな反響があり、
叶姉妹やなかやまきんに君がコスプレを行った写真などが話題となった。
現在も著名人によるコスプレが流行し、しばし話題となっている。
このように影響力の強い芸能人やYoutuberなどのインフルエンサーがさらに鬼滅の刃という作品をより多くの人に伝染させていった。これは鬼滅の刃にとっては大きな人気の飛躍だったに違いない。
さらにこの頃になると、ネットの読者からのコメントは連載当初とは打って変わり、
- 「炭次郎の家族や他者を思う優しさや思いやり。他の個性的なキャラクターの魅力や剣士道の呼吸や諦めない勇気や強さ優しさが、とても魅力的だった。」
- 「今の時代に合っている。社会的に閉塞感があって心が疲弊している。鬼滅の刃は悲しいストーリーだが家族愛や友情も描かれているから感情移入しやすい。」
というようなプラスの印象が多く広まっていった。
上記のコメントにもあるように、
時代に合った作品というのも、鬼滅の刃がスルリと人々に受け入れられた大きな要因の一つであったのだろう。
鬼滅の刃を彩る音楽とその魅力
アニメのテーマソングを歌うのは最近どんどん勢いを増す注目のアーティストのLiSA、また劇場版の主題歌も担当している。
鬼滅の刃の主題歌はオープニング・エンディング共にLiSAが担当しており、全2クールを通して同一の楽曲が採用されている。これは、スタッフサイドから「一人のアーティストがOPとEDの両方を歌うことで、映像作品としての完成度や統一感を高めたい」という希望があったためだという。
そして劇半音楽は梶浦由記と椎名豪が担当しており、これまでのufotable作品と同様に、毎話数ごとに映像に合わせて音楽を作るフィルムスコアリングの手法を取り入れている。
特にLiSAの歌う「紅蓮華」と「炎(ほむら)」は過酷な世界で生き抜く登場人物たちをイメージさせるような、たくましく生きる力を感じさせる歌詞、テンポの良い楽曲となっており、歌詞のフレーズも覚えやすいため、小さな子供や大人でもふいに口ずさみたくなるようなある種の中毒性を持っている。
また、2020年12月31日放送の『第71回NHK紅白歌合戦』では「『鬼滅の刃』紅白スペシャルメドレー」が披露され、主題歌「紅蓮華」と共に劇場版主題歌「炎」がLiSAによって歌唱され、NHKホール内に映し出される豪華な煉獄演出に涙する人が続出し話題となりました。
鬼滅の刃の今後の展開と海外の反応
2020年に始まった鬼滅の刃の大ブーム。
今後も大注目のアニメ二期やゲーム、新作舞台が控えており、
原作が完結してもこの作品の勢いはまだまだ止まるところを知らない。
そしてもちろん、それぞれのメディアで紡がれる音楽やシーンにも注目だ。
そして今、鬼滅の刃人気は海外にも少しずつ普及しており、
中国の動画配信サイト「bilibili」でのアニメ再生回数が2020年8月時点で4.9億を突破したことが紹介されたり、10月20日の『ニューヨーク・タイムズ』では、日本国内での公開にも関わらず「鬼滅」公開初週の興行収入が、日本以外の全ての国で封切られた映画興行収入合計を上回り、世界最大のオープニングになったと報じたという。
このように各国でも日本と同様に、アニメをきっかけに鬼滅の刃の人気が高まっていることが見えてきます。
ちなみに海外の鬼滅の刃ファンからはこんな感想も寄せられています。
「アニメの水の剣の演出がすごい」・「アメージングでファンタスティックなOP。
ハイクオリティなアニメーション。サウンドトラックには鳥肌が立った。」
近年の日本のアニメーションで、ストーリーや世界観に最も日本らしさを感じる、この鬼滅の刃が国内にこんなにも人気を博し、そして海外にまでその人気を伸ばしたことは、正直、予想もしておらず、改めて鬼滅の刃の作品の素晴らしさ、そしてアニメ、制作スタッフのすごさを実感しました。
このコラムの読者のみなさんもぜひ、初めてもしくは改めて鬼滅の刃という作品に触れてみませんか?
今後の展開も多く、まだまだ目が離せない鬼滅の刃。
これからの躍進に大注目だ。
動画編集・コラムライター・イベントプランナー。フリーで活躍中。
映像関係の専門学校出身だが、自身も演技や音楽(ピアノ・ギター)などを経験。現在、主に動画編集で企業CMやPVなどを制作。チラシやポートレートの撮影なども請け負う。
また、ライブやイベントの運営、企業・同人イベントのスタッフ等も担当するなど、マルチに活躍中。
趣味は鉄道旅行とTwitter、ネットサーフィン。
現在はM3(音楽イベント)のリアルタイム映像担当、Youtuberの動画作成、Vtuberライブストリーム等のクリエイティブ業務と並行して、ドラマ【ショカツの女シリーズ11,12】、【DEATH NOTE】、朗読劇は【レ・ミゼラブル】やライブ【HEARTFUL CONCERT】等に出演している。