マスタートラック(ステレオアウト)に使うSlate Digital FG-Xを解説!

マスタートラック(ステレオアウト)で使用するオススメのプラグイン「Slate Digital FG-X」

本日は沢山のミックス・マスタリングエンジニアに愛されているプラグイン、Slate DigitalのFG-X Virtual Mastering Console Plug-insについてお話していきたいと思います。

Slate Digital FG-X Virtual Mastering Console Plug-ins

DTM初心者やミックスを始めたばかりの方は、マスタートラック(ステレオアウト)に沢山のプラグインを使用される方は多い印象です。

実際にミックスエンジニアのセッションデータを拝見すると、マスタートラックに使用するプラグインは、DTM初心者の方が考えているより少ない傾向があります。マスタートラックに到達する前に、各トラックでしっかりと処理をしてあげているので、根本的に想像されている事と異なるかもしれません。

では何を使用すればいいの?と迷われる方は多いと思うので、本日ご紹介する、Slate DigitalのFG-Xを元に進めていきましょう!

使うのは3つのツマミとボタンのみ

ProToolsで立ち上げたFG-Xの画面。FG COMPはオフにしている。

さっそくマスタートラックに立ち上げました。

沢山ツマミがありますが、実際に私が使うのは3つのツマミとボタンのみです!

合わせてFG COMPのボタンはオフにしてコンプレッションはしないようにしています。

まずは、ご自身でバランスをとったミックスプロジェクトのマスタートラックに、このFG-Xを立ち上げましょう!

1.GAIN

まず素直にGAINを回しましょう!

すると単純に音が大きくなってきたのではないでしょうか?GAINは魔法エフェクトですね。

ですが、せっかく整えたバランスが崩れた可能性があります。

2.CONSTANT GAIN MONITORING

次にいつも名前が思い出せなくなるボタン、CONSTANT GAIN MONITORINGです。

最初に見た時は何だろう?と思いましたが、GAINを上げた際にバランスが変わってしまった場合のサウンドに対して、GAINを上げる前のバランス感にしてくれる、優れものです。

この時の注意点として、ミックスをする際に指標として使う「VUメーター」の針の触れ方が変わってしまう場合があります。

このような現象が起きた場合、少しダイナミクス(抑揚)が減った印象を持つかもしれません。小さくなった!と感じる事もありそうです。

何がなんだか分からなくなってきますが、次のDYNAMIC PERCEPTIONを回して解決しましょう!

※VUメーター=ミックス時に使用する、音の抑揚を確認するメーター。針の触れ方が人間の耳に比較的近いとされる。

3.DYNAMIC PERCEPTION

メーカー公式では「ファイナルマスターに躍動感や生命力を与えることが出来ます。」とアナウンスされてますが、噛み砕くと、【2】でダイナミクス(抑揚)が無くなった音源を元どおりにできるとお考えください。

回す量ですが、私の体験上は【1】のGAINを回す前のダイナミクス(抑揚)に近い状態になるまで回します。

もちろん聴き比べをする際は、FG-Xをバイパスやオフにして変化を確認してください。

これでダイナミクス(抑揚)を保ったまま、音圧が上がったのではないでしょうか?

その他必要に応じて

ここからは必要に応じて調整して頂きたい項目になります。

「トライ&エラー」…この言葉に尽きると思うので、研究してみましょう!

TRANSIENT SECTION

LOPUNCH

名前の通りですが、ローにパンチを加えられます。私はあまり使わないです。

楽曲によってはマッチするシチュエーションはあるかもしれません。

DETAIL

ハイに輪郭が足されます。少しくっきりしすぎかな?と思う瞬間はありますが、とても重宝しています。

ITP

メーカー公式では「ITPプロセッサーが作り出すサチュレーションカーブのキャラクターを調整します」との事ですが、サチュレーションのエッジが丸いかエッジが立つかの違いと認識しております。

私自身は上にスライドさせて、アタック感を付加させる事が多いです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?既にお持ちの方は、より良い音源になっていれば嬉しく思います。

これから導入予定の方は、マシンスペックや規格に対応してるDAWをお使いなのか今一度確認してみましょう!

少々マシンパワーを使うプラグインですが、あなたの力になってくれる事、間違いなしです!

今回は初心者の方でも直感的に調整できるよう、ご説明しました。

もし出来上がったサウンドが思ったようにならなかったら、各トラックの処理や、他に原因があると考えられます。

いずれにせよマスタートラックに立ち上げるプラグインは、このFG-Xやリミッター程度で納めてミックスに挑戦してみると良いでしょう!

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