Sonnox「Oxford Inflator」の特徴を解説!簡単に音圧アップが可能なプラグイン
Oxford Inflatorの特徴
今回は、Sonnoxの大人気リミッター「Oxford Inflator」をご紹介します!
高品質なEQやコンプレッサーのプラグインで定評のあるSonnoxの「Oxford Inflator」は、シンプルな操作で、簡単に音圧を上げることができるのが特徴のリミッタープラグインです。
Oxford Inflatorには、以下のような特徴があります。
- シンプルな操作で簡単に音圧を上げられる
- 音にあたたかみを持たせられる
上記2点について詳しく解説していきましょう。
シンプルな操作で簡単に音圧を上げられる
Oxford Inflatorが持つ最大の特徴は、シンプルな操作のみで簡単に音圧を上げることができる点にあります。
通常、DTMにおいて音圧を上げるにはコンプレッサーでアタックやリリースを調整して…など複雑な操作を行うことがほとんどでしょう。
しかし実際に操作画面を開いてみると、「INPUT」「OUTPUT」のほかには「EFFECT」「CURVE」のみと、とても扱いやすい仕様になっています。
複雑な操作をしなくても、フェーダーを少し上げるだけでいとも簡単に音圧を上げることができてしまう、めんどくさがりの人にとっては魔法のようなツールなのです。
Oxford Inflatorは、単なるリミッターではありません。これ以上のレベルは無理、と思われていた素材にかけることで、さらなる音圧をかせぎ、聞き取りにくかった小さな音の存在感を向上させたい。でも、いかにもコンプやリミッターをかけました、という音にはしたくない。
そんなマスタリングエンジニアやミキサーの要望に応えて開発されたOxford Inflatorは、単にピークを抑えるのではなく、独自のアルゴリズムによって聴感上の音量をかせぐことに成功しています。
https://www.minet.jp/brand/sonnox/inflator/
どの楽器に適用しても聴感上の音量を上げられるので、ミックスやマスタリングで音量が上がらず悩んでいる人はもちろん、コンプやリミッターの操作が面倒だけど音圧を上げたい!という人にはおすすめといえるでしょう。
音にあたたかみを持たせられる
ただ音圧を上げるだけではなく、音にふくよかさや暖かみを与えられるのもOxford Inflatorの特徴の1つといえます。
真空管を通したようなアナログ感のあるサウンドが得られるので、楽器本来の持つ自然な音のまま、音圧を上げて存在感を出すことが可能。
コンプレッサーをかけることで音に自然さが減ってしまうのが嫌だという人にとっては重宝するかもしれませんね。
アコースティックギターやドラム、ストリングスなどの生楽器はもちろん、より空気感やあたたかみが求められるボーカルの処理にも使えるのではないでしょうか。
Oxford Inflatorはこんな人におすすめ!
- ミックスやマスタリングで音圧稼ぎに悩んでいる人
- コンプレッサーの操作がよくわからないけど、今すぐに音圧を上げたい人
- アタックやリリースなどの調整が面倒な人
- 「コンプをかけた」感のある音を好まない人
- 生楽器の音によりふくよかさを与えたい人
Oxford Inflatorの音を実際の楽器で比較!
では実際に、レコーディングした楽器にOxford Inflatorを適用してみましょう。
今回は、アコースティックギターとドラムの打ち込みにOxford Inflatorを適用してみました。
アコースティックギター
DTM入門機として定評のあるオーディオインターフェイス「Steinburg UR22」を使用して、アコースティックギターをレコーディングしたものにOxford Inflatorをかけてみました。
アルペジオ+ストローク(ピックなし)を組み合わせたフレーズで演奏しています。
使用環境
- ギター:Gibson J-45(2015 Standard)
- マイク:Blue Bluebird SL
- オーディオインターフェイス:Steinburg UR22
Oxford Inflator適用前
Oxford Inflator適用後
以下のようなパラメーターで適用してみました。
比較をわかりやすく行うため、「EFFECT」は100%で適用しています。
※その他のフェーダーは、まず好みや他の楽器と合わせて調整してみることをおすすめします。
いかがでしょうか?
個人差はあるかもしれませんが、アルペジオの1音1音が粒立ち、ストロークもがっしりとした存在感が出てきているかと思います。
Gibsonのギターで強く訴えかけるような弾き語りを録りたいという時にも使えるのではないでしょうか。
ドラム
ドラムはSteven Slate Audioの人気ドラム音源「SSD5.5」を使用して打ち込んでみました。
SSD内では特別なエフェクトはかけていません。
使用キットですが、Ludwig(Lwg)のセットにZildjanのシンバルを選んでいます。
Oxford Inflator適用前
Oxford Inflator適用後
以下のようなパラメーターで適用してみました。
いかがでしょうか?
とくにスネアの存在感が前に出てきた印象があります。他の楽器と混ぜ合わせることで、仕上がりもだいぶ変化するかもしれません。
公式のデモ動画はこちら!
Oxford Inflatorの購入方法
Oxford Inflatorは「Plugin botique」から購入が可能です。
動作環境
公式サイトが発表している動作環境です。(2023年4月現在)
MacでもM1に対応している点が嬉しいですね!
起動にはiLokのアクティベーションが必要になる点は注意が必要です。
Windows
- Windows 7 – 11
- Toolbox ListenHubは未対応
macOS
- 10.12 (Sierra) – 12.3 (Monterey) – Intel、 Apple Silicon (Rosetta 2での動作)をサポート*
- Pro Codec, Codec Toolbox, および Oxford Restoreは macOS 10.15 (Catalina)までのサポート
- *以下4製品はApple Silicon ネイティブ対応(Ableton Live 11.1 VST3ではRosetta 2での対応となります)
- Oxford Inflator v4.00.0[261]POxford Limiter v4.00.0[174]POxford TransMod v4.00.0[119]PToolbox VoxDoubler v2.00.0[312]P
対応プラグインフォーマット
- 64-bit VST2、VST3 (Restore, Pro-Codec and Codec ToolboxはVST3未サポート)
- 64-bit Audio Units
- 64-bit AAX Native、 AAX DSP(要HDライセンス)
- 32bitは対応する製品のレガシーバージョン=G4ライセンスにてサポート
アクティベーション
https://www.minet.jp/brand/sonnox/inflator/
- iLok 2/3 USB Smart Key、iLok Cloud対応
まとめ
Sonnox「Oxford Inflator」について紹介しました。
私も、コンプレッサーの操作は少し億劫に感じてしまうことがあるので、少しフェーダーをいじるだけで音圧が稼げてしまう点にはいくらかの感動を覚えました。
ドラマーでもありながらアコギも弾くので、アナログ感のある音の暖かさが得られるのも嬉しいポイントです。
ミックスやマスタリングに悩んでいる人がいたら、ぜひ一度使ってみてください!
Next Lead Music Mediaのディレクター。
1994年生まれ、早稲田大学社会科学部卒業。
大学在学中からフリーランスとして企業に常駐し、SEO対策を専門に様々なWebメディアのディレクションを行いつつ、執筆から編集・分析・企画立案まで幅広い業務を担当。
作曲・編曲やドラム・弾き語りもやります。